冬 -Domestic Violence-


夢に出てきそうだからあんまり見たくないんだよなぁ・・

なんて情けない本音を我慢して、もう1度勇気を出して被害者の死体を見る。



キスマークって言ったって、
手形しか・・・・・


「あ・・・。」


「あったでしょ?」


「うわっ!脅かさないでくださいよ!!」


「・・・脅かしてないけど。
もしかして死体にまだ慣れてないの?」


「そ、そんなことないっすよ!
それより、これの事ですよね?」


「合コンの翌日になると大体あなたの首についてる痕とそっくりね。」


「いやぁオレは“やめろ”ってちゃんと言ってるんですけど、

盛り上がっちゃうとみんな噛みついてくる困った子ばっかで・・・って!

こんな時に勘弁してくださいよ!?」


「これ。」


「・・・・?」


ハルカさんの手には・・・

今までオレが何百個と使ってきた・・よく見慣れた“ゴム”を持っていた。


「あとでちゃんと手洗ったほうがいいっすよ?」


「ゴミ箱に使用済コンドームが何個かティッシュに包まれてた。」


「男がいたって事ですね。」


「成田は洗面所をチェックしてきて。
私は冷蔵庫を確認する。」


「・・というと・・?」


「一夜限りの相手なのか、
ちゃんとした交際相手なのか。

あなたは歯ブラシや整髪料を。

私は1人分か2人分か、
食材を確認する。」


「・・了解です。」




< 45 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop