冬 -Domestic Violence-
夢に出てきそうだからあんまり見たくないんだよなぁ・・
なんて情けない本音を我慢して、もう1度勇気を出して被害者の死体を見る。
キスマークって言ったって、
手形しか・・・・・
「あ・・・。」
「あったでしょ?」
「うわっ!脅かさないでくださいよ!!」
「・・・脅かしてないけど。
もしかして死体にまだ慣れてないの?」
「そ、そんなことないっすよ!
それより、これの事ですよね?」
「合コンの翌日になると大体あなたの首についてる痕とそっくりね。」
「いやぁオレは“やめろ”ってちゃんと言ってるんですけど、
盛り上がっちゃうとみんな噛みついてくる困った子ばっかで・・・って!
こんな時に勘弁してくださいよ!?」
「これ。」
「・・・・?」
ハルカさんの手には・・・
今までオレが何百個と使ってきた・・よく見慣れた“ゴム”を持っていた。
「あとでちゃんと手洗ったほうがいいっすよ?」
「ゴミ箱に使用済コンドームが何個かティッシュに包まれてた。」
「男がいたって事ですね。」
「成田は洗面所をチェックしてきて。
私は冷蔵庫を確認する。」
「・・というと・・?」
「一夜限りの相手なのか、
ちゃんとした交際相手なのか。
あなたは歯ブラシや整髪料を。
私は1人分か2人分か、
食材を確認する。」
「・・了解です。」