冬 -Domestic Violence-


・・・・なんだ・・??


無造作にオレへノートを渡したハルカさんが、冷蔵庫の中身を確認しに行った。


笑わない鉄仮面のくせに、不機嫌と・・“怒り”だけは露骨に態度に出す。

だからすぐに・・
あの人が“怒った”と感じ取った。


「・・・・・・・・・・。」


ハルカさんはすげぇスピードでペラペラとめくっていたので、

中身を追いついて読めなかった。


改めて確認しようと思ったけど、
結構膨大な日記帳だったので、

とりあえず最後のページに何が書いてあるかを見・・・・・・・


「え・・・・・・。」







“12月13日

今日も玉子焼きが床に飛び散る。
「不味い。」

謝ったけどすぐに髪の毛を掴まえて顔にお茶がかかる。

もう一度謝ったけど頬をビンタする。

ベッドに倒れ込むとそのまま馬乗りで乱暴に服を脱がす。”




「これって・・・・・・!?」




“大丈夫。我慢できる。私なら我慢できる。

だから明日もいつも通りに会社に行って、
いつも通りに帰ってこよう”




「・・・・・・・・・・・・・。」


最後のページ、最後の行。


丸いシミが所々について、
文字が少しふやけていた。


これを見ればあんまり頭良くないオレでも・・・想像ぐらいは出来る。


この行を彼女が書いた時、
その目から涙が溢れていた事を。


それがポタポタと落ちながら・・彼女は泣きながらこの一文を書いたって・・。




“でも………。
私、、、いつか・・殺されちゃうのかな・・?”






第3章 完









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