冬 -Domestic Violence-
第4章
第4章
月を見て綺麗だねと言ったけど
あなたしか見えてなかった
被害者 上原シオリ
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“ピンッポンッ”
「・・・!!」
ドライヤーの音にかすれたけど、
確かに着信音が鳴った。
もう今日は適当でいっか・・。
ブローも途中で終わらせて、机の上に置いてあったスマホへと早歩きで向かう。
パスコードを入れて起動すると、
すぐにLINEを・・
中野さんとのトークルームを開く。
<お疲れさまです。
今日、この前のお連れ様が彼氏と一緒に来店してくれました。
お連れ様、
ものすごい勢いで謝ってくれましたが、
今日は梅酒めちゃくちゃ薄めておきました笑>
「この前は本当に助かりました。
お返しが遅くなってすみません。」
<お気になさらないでください。
ただ・・ちょっとだけ凹みました笑>
「・・・どうしてですか・・?」
<上原さんにまた会えるかなぁって、
ちょっとだけ楽しみにしてたので(^^;)>
「・・・・・・・・・・・・。」
<あ、ごめんなさい!
勝手に期待した俺が悪いですm(_ _)m>