冬 -Domestic Violence-


やっぱり・・来てしまった。

やっぱり・・会いたくなってしまった。




1ヶ月記念日にテスト勉強をそっちのけで手紙を書いていた自分が背中を押す。


でも、他の女の子とのやり取りを見てしまった自分が前から止める。



だけど、お母さんに文句を言われながら、

キッチンを占領してチョコを作っていた自分がそれをはねのける。


でも、私好みじゃないパフュームと、

肩口についたファンデーションに気付いてしまった自分がまた止める。



だから、初めての痛みと、初めての密着と、初めての愛情を知った自分が手を差し伸べる。


でも、機械的な痛みと、機械的な接続と、道具としての視線を受け取った自分が手を払う。




それでも“行きたい”と叫んだ。


最後に・・あの日の駅のホーム、あっけなく無視をして涙は頬に流れてた自分が、

“ホントに大丈夫?”と聞いてきた。


だから“大丈夫”と答えた今の私が、

新しい私が・・・・






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