冬 -Domestic Violence-


刑事 成田イチロー
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“ガチャリ”


「夜分遅くにすみません。
オオスカワ署の者でーす。」


「・・・隣の人の事ですか?」


「はい。304号室の住人、上原シオリさんの事で2,3伺いたい事が・・。」


「なんですか?」


「上原さんと交流は?」


「朝仕事行く時とか、ゴミ出しの時とかに会えば挨拶ぐらいしたけど、それぐらいかな。」


「男が部屋を訪ねてくる所って見たことありますか?」


「あぁ何度か遭遇した事ありますよ。

仕事から帰ってきた時に、
ちょうど向こうも二人で帰ってきてて。」


「・・・どんな様子でした?」


「いや、そんなジロジロ見ないですよ。

いつも、“リア充やなぁ”って羨ましがってはいたけど。」



「今から何枚か男の写真を見せるので、

上原さんがリア充してた男がこの中にいるか確認して頂けますか?」


「はい・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・あ、この3枚目の人ですよ。」


「間違いないですか?」


「ジロジロは見てないけど、
顔ぐらいは見ましたので・・って!

もしかしてこの人が殺したんですか?」


「いやいやまだ捜査段階なので何とも。

最後に・・・お隣、何か物音が激しいみたいな事ってありました?」


「・・・・・しょっちゅうですよ。」


「え・・・。」


「物音っていうか・・・
怒鳴り声みたいな・・。」


「・・・分かりました。
ご協力どうもありがとうございました。」


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