冬 -Domestic Violence-
刑事 成田イチロー
********************************************
“ガチャリ”
「夜分遅くにすみません。
オオスカワ署の者でーす。」
「・・・隣の人の事ですか?」
「はい。304号室の住人、上原シオリさんの事で2,3伺いたい事が・・。」
「なんですか?」
「上原さんと交流は?」
「朝仕事行く時とか、ゴミ出しの時とかに会えば挨拶ぐらいしたけど、それぐらいかな。」
「男が部屋を訪ねてくる所って見たことありますか?」
「あぁ何度か遭遇した事ありますよ。
仕事から帰ってきた時に、
ちょうど向こうも二人で帰ってきてて。」
「・・・どんな様子でした?」
「いや、そんなジロジロ見ないですよ。
いつも、“リア充やなぁ”って羨ましがってはいたけど。」
「今から何枚か男の写真を見せるので、
上原さんがリア充してた男がこの中にいるか確認して頂けますか?」
「はい・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・あ、この3枚目の人ですよ。」
「間違いないですか?」
「ジロジロは見てないけど、
顔ぐらいは見ましたので・・って!
もしかしてこの人が殺したんですか?」
「いやいやまだ捜査段階なので何とも。
最後に・・・お隣、何か物音が激しいみたいな事ってありました?」
「・・・・・しょっちゅうですよ。」
「え・・・。」
「物音っていうか・・・
怒鳴り声みたいな・・。」
「・・・分かりました。
ご協力どうもありがとうございました。」