冬 -Domestic Violence-
「・・・・・・・・・。」
コーヒーカップを置いたハルカさんが、
じゃんけんの“パー”の形を作って長さんの顔の前に広げる。
「・・・・・どうした?」
「お願いがあるんですけど。」
「おう。」
「被害者の首に残ってた手形から、
掌のサイズを割り出してください。」
「なるほど・・任せとけ。」
「中野を捕まえて照合させますのでなるべく早めに。」
「御意。今晩中に作っとくぞい。」
「成田。」
「あ、はい。」
「明日からは二手に分かれて、
とにかく中野を探し出すよ。」
「どっちが先に見つけるか競争っすね!
じゃあ早速・・」
「ちょっと待って。」
「・・・?」
「・・まだコーヒー飲み終わってない。」
第4章 完