冬 -Domestic Violence-
「もしかして・・
恋愛も禁止されてたんですか?」
ホントは、今までどんな女性とお付き合いしてきたんですか?って・・
ストレートに中野さんの好きなタイプを聞きたかった。
でも・・お母様の話に絡めてつまらないオブラートに包んでしまう。
「いや、意外とそこだけは無頓着だったんだよなぁ。
だから割と自由に色んな子と付き合ってきた。」
「・・・色んな子・・・。」
「・・・あ!ごめん違う違う!
二股とかそういう意味じゃないからね。
色々なタイプって事。」
「・・・・・ど・・・。」
「うん?」
「中野さんは・・どういう女性がお好きなんですか?」
「そうだなぁ・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
「感受性が豊かな子・・かな。」
「・・・・・・・・・。」
「あ!もうすぐイルカショーの時間だから急ご!」
やっぱり・・私が勝手に勘違いして勝手に舞い上がってただけなのかな・・。
まるで正反対な・・私とは真逆のタイプを言われて・・
イルカショーの会場まで行く足取りが、途端に重たくなった。