冬 -Domestic Violence-


―――――― 

「クルミ結婚おめでとー!」
「おめでとー!」
「おめでとう。」


「ありがとー!」


烏龍茶を手に持つ妊娠中のエミリの発声で、4つのグラスが重なる。


友達は小さい頃から多い方だと思っていた。


だけどそれは同じ小学校だったから、
同じクラスだったから、
たまたま席が近かったから。


それは中学も同じで、結局卒業してからも続く友情なんて私には無かった。


だから私にとって“友達”と言えるのはこの3人だけかもしれない。


短大時代に出会ったこの3人だけは、
今でも大切な・・・・。



「いいなぁ~可愛い~。」

「超高そう!」


今回集まった目的。

クルミの左手薬指に光り輝く指輪に、エミリとサヤカの視線が釘付けになっている。


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