冬 -Domestic Violence-
――――――
『・・・・・・・・・・・。』
「くそっ・・!
明日こそぜってぇ捕まえてやる。」
『・・・・・・・・・・・。』
「あ~ヒデさん。今ホテル戻りました。」
“転倒に気をつけてください”
って言われてたのに・・
路面凍結を計算に入れてなかった俺の馬鹿野郎が・・。
[アカーン!お前メッチャ足速ない!?]
そう言っているかのような鳴き声をあげたビワリーに手を伸ばした直後、
両足がツルツルと滑って・・・
学生以来かもしれない。
久し振りに・・ド派手にズッコケた。
[天はまたワイに味方したようやな神野!]
最後にそうあざ笑うかのような鳴き声を発したビワリーが夜の闇に溶けていき、
今日も確保失敗に終わる。