冬 -Domestic Violence-
第7章
第7章
「あ~寒い寒い・・・。」
今日一日の聞き込みを終え、
宿泊先のビジネスホテルへ帰ってきたと同時に独り言が漏れる。
トランシーバーとポケットカメラを外す代わりに、ノートPCを立ち上げて電話会議システムを開いた。
「戻りました。」
『お疲れ様です。』
「とりあえず事件関係者には一通り聞き込めたんで、
俺も明日から中野捜索に加わりますよ?」
『・・・・・・・・・・・・・。』
「どうしました?」
『成田捜査官が地道に作業を続けてくれて、
無事に上原シオリさんの日記が全て私の元に送られてきました。
彼には感謝が尽きません。』
「・・・どうだったシオリのプロファイリングは?」
密かにつけていた日記帳ほどその人の本質が出て、
そしてプロファイラーでもある安楽椅子さんにとって、これ程の材料は無い。
これで・・彼女の人間性はヒデさんに丸裸にされただろうな。