冬 -Domestic Violence-
『神野くんに1つ問題を出しておきます。』
「なんですか?」
『17.4%』
「・・・・・?」
『これが何の数字を表しているか、今の君ならノーヒントで辿り着けるはずです。』
「最近なんか・・雑な教育ですね。」
『それだけ・・終わりに近づいてきているという事です。』
「・・・?どういう事?」
『いえ、こちらの話です。
それより1つお願いがあります。』
「・・・?」
『明日、上原シオリさんの元カレと接触して頂きたいです。
日記には“ショウヤ君”という名前しか書いていなかったので、
彼女の友人をあたって、素性と現在の居場所を突き止めてください。』
「元カレ・・?そいつが何か?」
『私から言わせれば、中野氏よりもこの事件の鍵を握っているのはその元カレです。』
「ヒデさんらしくないな。
いつもと違って・・順序立てた推理じゃなくて、さっきから所々突拍子すぎる。」
『・・・さすがにバレましたか。』
「あんた何か隠してるだろ?」
『・・・・・・・・・・。』
「・・・・・・。」
『もう一度言いますが、
この事件は至って単純です。』
「・・・・・・・・・。」
『今から説明する仮説を聞いて頂ければ、
私が元カレに会いたがる理由が分かると思いますよ。』