濡れた月
久しぶりにあの時の夢を見た。



冷や汗を拭い去るために頭から熱めのシャワーを浴びる。

ノズルを回すと、勢いよくお湯が降り注ぐ。


汗でべとついた身体から力が抜けるのを感じた。



あの夢を見た後はいつも身体が強張っている。

昔はよくうなされていたらしいが、一人暮らしの今、どうなっているのかは分からない。



――これは、気を引き締めろということなのだろうか。


俺はお湯を止め、タオルを被った。

髪から雫がポタポタと垂れる。

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