間宮さんのニセ花嫁【完】
ごめんね?と謝ると弥生は「うーん」と頭を捻らす素振りをする。
「じゃあウチ……と言いたいところだけど彼氏いるしなぁ、じゃあどっかお店にしよっか」
「それって定員二人なんです?」
「なに、柳下も参加したいわけ?」
「俺だって佐々本さんの誕生日祝いたいです」
それはありがたいけれど。彼の参加を承諾すると大きな声で「やった!」と叫んだのでフロア中に彼の声が響き渡った。そのせいなのか、私の周りに営業部の人たちが続々と集まってくる。
「なんだ、佐々本誕生日かー。俺も祝うぞ」
「佐々本ちゃん頑張ってるし、みんなで祝うのもいいねぇ」
「よし、折角の金曜日だしパーッといきますか!」
そんなこんなで突然参加人数が増えてしまった私の誕生日会。弥生は「人が多い方がいいか」と割り切っていたが、最早私の誕生日を祝いたいというよりただただ飲み会をしたいだけなのでは。
「じゃあ会場は柳下に任せた!」
「また俺ですか。まぁ松村さんに不味い店紹介されるよりマシですけど」
「私のことなんだと思ってんの」