間宮さんのニセ花嫁【完】
本当失礼だなという文句をスルーすると柳下くんが向かったのは部屋の一番奥にいた間宮さんの元だった。
「係長、今度佐々本さんの誕生日会するんですけど参加します?」
「誕生日?」
間宮さんの視線がこちらに向き、何故だか気まずい雰囲気が生まれる。彼は「いつ?」と柳下くんに尋ねてその日のスケジュールを確認した。
「うーん、昼からの仕事が片付けば参加は出来そうだが」
「それじゃあ係長は終わったら合流ということで」
「それでも構わないか?」
間宮さんの参加が決定したことで更に飲み会の参加者が増えそうな予感。しかもそれが私の誕生日会なのが驚きだ。
それにしてもさっきの間宮さんの表情は何だったんだろう。少し寂しげな顔にも見えたけど。
気のせいかな。