エリート社員の一途な幼なじみと交際中!
「……まあ、いいよね。シンプルイズベストだしね」

環は私の服装について文句を言ったことなんて一度もないのだけれど、付き合い初めて、端正な容姿をしている環が街中でよく女性に見られていることに気がついてからは、少しでも環の彼女らしく見えるように気を遣っている。

アクセサリーでまた悩み、ようやく全身のコーディネートが終わった頃には、もう家を出なければならない時間になっていた。

慌ててショルダーバッグに貴重品や身だしなみグッズを入れ、ベッド脇に置いてあったスマートフォンを手に取る。何気なくスマートフォンの画面をつけると、環と2人で取った写真が映し出され、頬が緩んだ。

もうすぐ本物の環に会える。胸の高鳴りを感じながら、家を出た。
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