新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
「だって、キスをして、初めて発した言葉が『嘘』だなんて。私としては愛の言葉を囁いてほしかったです」
本音を漏らし、再び何度も唇にキスをする。
「ちょ、っと待ってください。私も状況が飲み込めなくて……」
腕で顔を隠そうとする、その腕にキスをする。
息の上がる彼女が、なまめかしく思えて仕方がない。
次第に止められなくなって、彼女が体を捩っても執拗にその腕にキスをする。
「や、待って……」
甘い吐息混じりの声を発して、彼女は私の体にしがみつく。
「まずいな。結愛さんのかわいらしい反応が、僕を煽って仕方がない」
「かわいくなんて、ありません。私だって、省吾さんに触れ……」
言いかけた言葉を遮るように、口を塞ぐ。
「ストップ。あんまり大人をからかわない方がいい」
これ以上、火に油を注ぐような台詞を聞かせないでほしい。
しかし、口元を覆う手は簡単に引き剥がされ、文句を言われた。