新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

 驚いたのか、彼女は重ねていた唇から逃れるようにして言った。

「待って。待ってください。お願い」

 必死の訴えに、触れている手を離した。
 すると彼女は脱力して、私にもたれかかった。

「途中でやめないで、と。前に結愛さん言いましたよね」

 わざと意地悪な台詞を口にしつつも、彼女の背中に手を置いた。
 トントントンと、優しく三度。

「そう、ですけど」

「冗談です。大人げなかった。私と同じ気持ちかもしれないと、舞い上がりました」

「同じ、気持ち?」

 疑問符を浮かべる彼女の耳元に囁いた。


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