新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
7.そのわけは

そのわけは 結愛side

 久しぶりに珠紀とランチを、外へ食べに行く約束をした。

「どう。クール先生との同居は」

「クールなのは外でだけだよ」

「へえ。そうなんだ」

 珠紀はどうして省吾さんとあんな『約束』をしたのだろう。

 珠紀が納得する間柄にならなければ、婚姻届は出さないという約束。

「ねえ。珠紀、省吾さんと約束、してるの?」

 一瞬だけ表情をこわばらせてから、珠紀は再び表情を緩ませた。

「そっか。話したんだ。そのこと」

「うん。たまたま出されていない、婚姻届を見つけちゃって」

「たまたまだなんて、五十嵐先生、わざとなんじゃない?」

「え」

 思わぬ着眼点に、意表を突かれる。

「それで結愛がどんな反応するのか、確かめたかったとか」

 整然とした書斎の僅かな綻び。
 入ってはいけないと、言われてはいない書斎。

 まさか……。


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