新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

「怒ってる?」

「怒っては、ないよ」

 珠紀は質問をしておいて、困ったような嬉しそうな、それでいて呆れたような顔をした。

「もう。結愛は人がいいから心配になるよ。怒っていいんだよ。好きなんでしょ? 彼のこと」

 好きなんでしょ?
 改めて聞かれると恥ずかしい。

「それは、その、だんだんとそうなっただけで」

「分かるよ。あのイケメンに迫られたら、誰でもその気になっちゃうもの。だから私は心配で」

「なにに?」

「結愛ばかりが彼から抜け出せなくなって、向こうは大して想ってないって、ならないかって」

「それは……」

 心配ご無用!
 とは言えない。

 ご名答!
 と、言いたいくらい、彼の本心は分からないと言ったら、珠紀は余計に心配するかもしれない。


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