新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
8.愛してる
愛してる 結愛side
「別れるというのは、訂正していただけますか」
こうして笑い合え、やっと穏やかな雰囲気になった。
私の訴えを聞き、彼は考え直してくれたのだろうか。
「そうですね。君が、それでいいと言うのなら」
彼は手を伸ばし、私の頬に触れる。
狡い言い方。
そう思うのに、慈しむような眼差しに目眩がした。
やっと心から安心できるがして、フッと気が緩んだみたいだ。
体が勝手に傾いていく。
「おっと、危ない。気が回らずに、悪かった。君は体調が優れないんだった」
目眩がしたのは、彼にときめいたからではなかったらしい。
その証拠にまだ熱が高いのか、彼が触れる手のひらが冷たくて心地いい。
省吾さんは私の体を支えて、ベッドへと横たわらせた。
彼が離れていかないか不安に思ったけれど、彼は横たわらせた私を抱きしめるように腕に収め、自分自身もベッドへ横になった。
「眠ればよくなります。きっと」
「ええ。そうだといいですね」