新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
彼の胸元に顔をすり寄せて、顔をうずめる。
ぬくもりに安心して、目を閉じた。
しばらくうとうとしていると、彼が囁くように言った。
「このまま眠ってしまいそうだけれど、服は着替えた方がいい」
体を起こしかけた彼の腕を掴む。
「今は、嫌です」
汗をかいて、服が湿っている。
けれど、今は服なんてどうでもいい。
離すまいと掴んでいる手に、そっと手を重ねられる。
「すぐ戻ってくるから」
揺れる瞳で彼を見上げると、目を細めた彼が顔を近づけた。
思わず目をギュッとつぶって肩を縮めると、彼はおでこに優しくキスを落とす。
まぶたにも、頬にも順番にキスをして、それから唇にも優しく触れた。
「いい子だから、待っていられるね?」
小さな子どもをあやすように言われ、私はコクリと頷いた。
「うん。いい子だ」
頭に手を置いて、再びおでこにキスをしてから、彼は寝室を出て行った。