新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
目が覚めると清々しい朝だった。
窓の外から小鳥のさえずりが聞こえる。
「結愛さん。起きたのなら、解放してもらってもよろしいですか」
頬を寄せる温かなぬくもりから、体を僅かに離すと目の前に素肌が見える。
素肌が……。肌?
おずおずと体を離してみると、ワイシャツをはだけさせ、バツの悪そうな顔をした省吾さんと目が合った。
私はその胸元に、顔をすり寄せる形で眠っていた、らしい。
「キャッ。ど、どうして服がはだけているんですか!」
慌てて両手で顔を覆うと、服を直すような衣擦れの音をさせながら、省吾さんは弁解する。
「このままでは本格的に変態認定されそうですので、釈明させてください」
「へ、変態とは思っていませんけど、熱が出た人との添い寝は人肌がいいと、お医者に言われたら、信じないといけない気がします」
真面目に答えたのに、フッと息を漏らした省吾さんに文句を言おうと、顔を覆っていた手を外す。
目を向けると手首のボタンをしている省吾さんと目が合った。