新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

 くすぐったくて目を覚ますと、彼女が懸命に胸元に頬をすり寄せていた。

「なにごとです?」

「わ。起きて、いえ、なにも」

「言ってください。なにを、していたか」

「それは、その。愛おしくて、つい」

 本当か、嘘か。
 彼女は恥ずかしそうに顔を背ける。

「体に根が生えてしまいそうだ。いい加減、起きましょうか」

「はい。朝食を作りますね」

「朝、ですか」

「はい」


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