新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
結愛さんはナイトテーブルに置きっぱなしのピザで視線が止まり、ギギギと音を立てそうな動きをして、こちらに顔を戻した。
「昨日、ものすっごく怖い夢を見ました。ピザに襲われて踏みつけられ、ってなにか、おかしかったですか」
「いえ。なにも。昨日は涼しかったので、ピザは無事でしょう。食べますか」
「え」
心底嫌そうな顔をした結愛さんに吹き出した。
「冗談です。最後の食べかけが一枚あるだけですので、これは「ごめんなさい」しましょう」
「ピザも「ごめんなさい」と言えば許してもらえるでしょうか」
「ええ。きっと。これは母の受け売りです。どうしても食べられない時は「ごめんなさいしなさい」と」
ハッと息を飲む彼女に「平気ですよ。母の話がつらいわけじゃない」と伝える。
「昨日は、ごめんなさい」