新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
10.幸せのかたち
幸せのかたち 結衣side

 今日は珠紀を土曜のランチに誘った。

 省吾さんが「私も付いて行きましょうか」と言ってくださったけれど、丁重にお断りをした。

「もし私だけで認められなかった時はお願いします」と言ったら、渋々納得してくれた。

 道沿いに新しくオープンした、お洒落なカフェで待ち合わせをする。

 先に席について待っていると、程なくして珠紀がにこやかに手を振りながら入ってきた。

「お洒落なカフェね」

「うん。省吾さんと行きたいねって話していたお店で」

「なに、会って早々にのろけられちゃうわけ?」

 呆れ顔の珠紀は苦笑している。

「そ、そういうんじゃないんだけど」

 いや今日は、のろけた方がいいのかな。
 迷っていると珠紀がとんでもない話題を口にする。

「で、やっぱり手練れだった?」

「手練れ?」

「夜の方がお得意って意味」

「た、珠紀!」

 私はあたふたしているのに、珠紀はどこ吹く風で続ける。

「だって結愛ったら、急に綺麗になっちゃって。これじゃ反対してる私が悪者みたいじゃない」

「珠紀……」

 じんと胸が熱くなり、言葉に詰まる。

「さっさと正式に、五十嵐結愛になっちゃいなさいよ。そしたら教えてね。心からおめでとうを言いたいから」

「うん! ありがとう。珠紀」


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