新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

 着替えてリビングルームの方へ行くと、着替え終わり、ソファでくつろいでいた彼が顔をこちらへ向けた。

「素敵な装いですね。とても似合っています」

「あ、ありがとうございます」

 彼だっていつも素敵だけれど、今も一段と素敵だ。
 襟付きのシャツにチノパン、ジャケットを羽織る彼はリゾートカジュアルをさらりと着こなしている。

 立ち上がった彼は私の隣に並ぶと、腕を差し出した。

 おずおずと手を添えると、彼は穏やかに微笑む。

「全世界に、結愛さんは私の可愛い妻だと自慢したくなりますね」

「滅相もない」

「本心ですよ」

 最上級の微笑みを向けられ、言葉に詰まる。
 彼といると魔法をかけられたように夢見心地になって困る。

 彼とは愛し合って結婚したわけではないのに、彼から大切にされていると勘違いてしまいそうで。


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