新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
「そろそろ、寝ましょうか」
あと一人分、誰かが座れそうな距離を開け、隣同士に座って見ていたテレビ。
心あらずな様子が伝わってきている。
その証拠に、私の言葉に彼女は肩を揺らした。
「もし夫婦の営み的なものを心配されているのでしたら、その点は大丈夫です。無理強いはしません。そもそも寝室は別じゃないですか」
今まで私が寝室として使っていた部屋を結愛さんに譲り、私は書斎で眠ると、引っ越す際に伝えてある。
仕事柄、不規則な時間に起きるため、お互いに気を遣うのが煩わしいだろうという理由だ。
ただ、旅行ではベッドを共にしたし、先ほども、うたた寝だったため隣で寝ている。
引っ越すにあたり、安心させたくて部屋を別にした、という経緯もある。
旅行ならまだしも、日々の生活で毎日眠る時に緊張を強いるのは可哀想だ。
「でも……」
新婚初夜での私の発言と、その顛末を彼女なりに気にしているのかもしれない。