新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

「かわいらしい妻と離れ難くてね」

 ニコリともせずに爆弾発言を口にする彼に、顔が熱くなる。
 それを間近で見ていた小椋さんが私を抱き寄せた。

「もう。栗原さんは純粋なんですから、オジサンのエロトーク聞かせないでくださいよ」

 急に話の雲行きが怪しくなってきて、赤い顔が青くなりそうだ。
 そそくさと帰ってしまいたいのに、小椋さんに抱き寄せられたまま、腕の中から抜け出せない。

 二人の日常会話なのか、呆れ声を発して五十嵐先生も応戦する。

「勝手に下世話な話に変えているのは、小椋さんでしょう?」

 小椋さんは竹を割ったような性格で、話しやすいのは助かるのだけれど、なにに対してもオープンに話すのは、今の状況では非常に困る。

「新婚さんが朝から欠伸されていたら、そうとしか思えないです。昨日は熱い夜を過ごされたんでしょうね。寝不足だなんて、お盛んですね。お幸せにって」

 想像よりもずっと上をいく小椋さんの発言に、驚いて思わず聞き返した。

「普通、新婚さんって、そういうものなんですか?」

「もー! 栗原さん、本当にかわいい。純粋なままでいて!」

 ギューッと腕を回され、ドギマギする。
 女性特有の柔らかな感触に、女同士なのにドキドキと鼓動が速くなる。

 五十嵐先生は変わらず呆れているみたいだ。


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