新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

 一度離してから、彼女の唇を舌でなぞると血の味がした。

「切れてる。自分からしたいのなら、ほら」

 彼女の背中に手を回し、自分の方へ抱き寄せる。
 自分の腿の上に彼女を座らせ、顔を近づけた。

「このまま、ゆっくり触れさせてみて」

 息を飲んだ彼女は、言葉を発しないまま、ゆっくりと顔を近づける。
 閉じられたまぶたの、微かに震えているまつ毛が無駄に私の欲情を煽る。

 触れるか触れないかのキスは、胸を軋ませるほど痛くさせた。
 離れていく彼女から香る、シャンプーのほのかな匂いが鼻をくすぐり、胸を疼かせる。

「だから、おやすみのキスはダメだって……」

 本音を漏らし、離れ行く彼女を引き寄せた。

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