新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

「嫌ではなかったですか?」

「嫌とは……」

「昨日の……」

「い、言わないでください! 改めて聞かれるとどうしていいのか、わからなくなります。それとも、こうして意見を擦り合わせるのが一般的ですか?」

 目を丸くした省吾さんはクククッと喉の奥で笑った。

「一般的がどうかは知りませんが、結愛さんが話せなくなるのを失念してふけってしまったので、反省してこうして聞いているのです。あの時、嫌だと訴えたくても、訴えられなかったのではないかと思いまして」

 呼び方が『結愛さん』に戻り、安堵しつつ、疑問を口にする。

「ふけって?」

「夢中になるという意味です」

 夢中に、キスに夢中で私を慮る暇がなかったと……。
 カァーッと顔が熱くなって、両手で顔を覆う。


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