新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
微妙な関係 省吾side
「おはよう」
「おはようございます」
寝ぼけ眼で、挨拶をする彼女が意識を覚醒させて、しばし固まる。
先に起きた私が彼女のすぐ近くへ移動して見つめていたため、まつ毛の本数まで数えられそうなほど至近距離にいる。
「どうやってバレないように距離を取ろうか、考えているのが手に取るように分かる」
軽口をたたくと彼女はむくれた。
「素の省吾さんは意地悪です」
「そう?」
素の省吾さん、というけれど、本当の素はもっととんでもないと思う。
敢えて指摘はしないけれど。
「出社前にお風呂に行かないと。入る? 一緒に」
「入りません!」
彼女はベッドから這い出し、パタパタと浴室へ逃げていった。