新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
何日かの日々が過ぎても、穏やかな日常は変わらなかった。
穏やか過ぎる日々。
それは、ただ表面的に滞りなく過ぎていく時間。
共に食事を取り、談笑をし、そして別々の部屋で眠る。
結婚してすぐの数日。
夜中、密かに寝顔を見て愛おしさを募らせていた自分がいかに滑稽だったかと、嘲笑するのに、どこかその頃の自分を羨ましくも思った。
彼女に触れられない。
適切な距離を置き、無難な会話をする。
誰でも良かったのでしょう?
そんな軽蔑の眼差しで見つめられたら、と思うと伸ばしかけた手が二の足を踏む。
自分自身が「軽蔑すればいい」と言ったくせに、彼女に軽蔑されていると知るのは、耐えられなかった。
ショックを受けた自分が壊れ、暴走してしまいそうで、彼女に触れるのが怖かった。