しずくの恋
「私もブランクがあるので、一緒に勉強させてください」


そう言って明るく笑っていたけれど、

簡単な型を教わると、

吉川さんが経験者で、
ものすごく上手なことが分かった。


私達は体がぐらついて基本姿勢で立ち続けることすらできないなか、

吉川さんは次々と綺麗に型をきめていて、
緊張感あふれるその姿はかっこいいなんてものじゃなかった。


私達の視線に気が付いたのか、休憩になったところで館長が近づいてきた。
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