しずくの恋
その日のお昼休み、お弁当をカバンから取り出したところで、
隣のクラスの男子に廊下に呼び出された。
「ごめんなさい、今日はちょっと…」
と言いかけると、
そのひとの友人らしき男子数人が、
すこし離れた場所から口を挟んだ。
「話だけでも聞いてやってよ。
そいつなりに勇気だしたんだからさ」
「そうだよ、無視しないでやってよ」
「つうか、いい気なってんじゃね?」
その言葉の数々に逆らうこともできず、
キリっと痛む胃をさすりながら、
話したこともない、隣のクラスの男子についていった。
人のいない非常階段で「付き合ってください」と言われて、
「ごめんなさい」と繰り返した。
隣のクラスの男子に廊下に呼び出された。
「ごめんなさい、今日はちょっと…」
と言いかけると、
そのひとの友人らしき男子数人が、
すこし離れた場所から口を挟んだ。
「話だけでも聞いてやってよ。
そいつなりに勇気だしたんだからさ」
「そうだよ、無視しないでやってよ」
「つうか、いい気なってんじゃね?」
その言葉の数々に逆らうこともできず、
キリっと痛む胃をさすりながら、
話したこともない、隣のクラスの男子についていった。
人のいない非常階段で「付き合ってください」と言われて、
「ごめんなさい」と繰り返した。