しずくの恋
「流山くん…」



「……え?」



ゆっくりと振り向いた流山くんと目が合った。



「あっ…!」


その瞬間、慌てて両手で口を押えた。

思わず、言葉がこぼれてしまった。



「あ、あ、あ、あ…」



流山くんが驚いた顔をして私をみつめている。

流山くんと数メートルの距離を挟んで
向かい合う。


な、なにか話さないとっ!
焦る心で 必死に言葉を絞り出す。


「あのっ! 私、あの、流山くんと、同じ学校で…」


なんて説明すればいいんだろう。


緊張と混乱で、どんな言葉を続ければいいのかわからない。



困惑した表情のまま、流山くんがゆっくりと口を開いた。


「えーっと、1組の桐原さん、だよね」


その言葉にぱっと顔をあげた


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