しずくの恋
なんの言い訳もせずに、

はっきりと断ってくれた流山くんの誠実さに
救われている自分がいた。


辛いけど、そんな流山くんの態度に、
どこかすごく納得している自分がいた。

やっぱり流山くんを好きになったのは
間違えじゃなかった。


だって、そんな流山くんだから
好きになったんだもん。


振られることはわかっていたけど、
ただ伝えたかった。


私が流山くんを好きだっていうことを
知っていてほしかった。


伝えてしまえば流山くんを困惑させてしまうことも、いい返事がもらえないことも、

わかっていた。


ただ、気持ちがあふれて、

言わずにはいられなかった。



「えーと、じゃ。また、学校で」


そう言ってその場を離れかけた流山くんに

最後に声をかけた。


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