君と巡る歴史
「大きいですね!」

最上階からの景色を眺め、千夜は闘技場の観光を楽しむ。

「ローマによる統治時代に建てられたんです。保存状態もとてもいいんですよ」

「そんな時代からあるのに保存状態がいいなんて、奇跡ですよね」

アジアからの観光客が少なく、のんびりと二人は観光を楽しんだ。

カルタゴ遺跡やドゥッガ遺跡なども巡り、歴史好きな千夜は満足した一日を過ごした。



次の日も歴史ある観光地を巡り、お昼ご飯を二人は一緒に食べることにした。

「チュニジアの料理って、香辛料が強くなくて食べやすくて好きです」

シンプルに塩焼きにした魚を口にしながら千夜は言う。千夜はお嬢様だが、あまり高級な料理は好まない。みんなが気軽に行くお店の方が好きだ。

「それは嬉しいです。私も日本料理は好きですよ」

タコをたっぷり使ったサラダを口にしながらトゥルキが微笑む。

「どんな日本料理が好きなんですか?」

「そうですね……。天ぷらが好きです」
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