君と巡る歴史
「天ぷらは私も好きです!」

トゥルキと話しながら、千夜は笑う。

千夜はチュニジアに来てから、元彼のことを考えなくなった。ご飯を食べ、笑えるようになっていった。

チュニジアに旅行に行くように言ってくれたお父さんに、千夜は感謝をしながら食事を続ける。

「明日はバルドー博物館に行きませんか?チュニジアのルーブルとも称されているんですよ」

千夜を見つめていたトゥルキが提案する。千夜は「いいですね!」と微笑む。

「モザイク画のコレクションが多いんですよね?」

千夜が訊ねると、トゥルキは「そうです」と頷く。

お店を出た後、二人はサヘル地方の真珠と称される人気ビーチリゾート、スースへと向かった。



楽しい旅のおかげで、千夜はもう元彼のことで涙を流すこともなくなった。

そして、千夜が日本へ帰らなければならない日がやって来た。明日、千夜は日本へ帰る。

千夜はトゥルキとともに、チュニスの街を訪れていた。チュニジアの首都で、観光や政治、経済の中心地でもある。
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