腹黒王子の初恋

ある日の事。いつものように夕食を済ませてテレビを見ながらプリンを食べていた。LIMEの通知音が聞こえて確認すると。

ゆうきゅんじゃん！思わず立ち上がってしまった。ドキドキする胸を押さえながらメッセージを開いた。

【先輩おつかれさまです。】
【おつかれさまでし。】

焦って間違えてしまった。もー！私こんなんばっかりだ。

【本を返したいんですが、今週土曜日どうですか？】
【大丈夫です】
【それではT駅に10時で】
【わかりました。お願いします。】
【ちなみにちゃんと一人で来てくださいよ。そうじゃないと本返しません笑】
【わかりました。】
【それではおやすみなさい。】
【おやすみなさい】

あー！とうとう会う約束しちゃった！しかも一人で来いって。やっぱり気分悪かったみたい…

でも、メッセージが必要内容のみで何だかそっけない。

それにちょっと寂しさを感じでしまっている。本は早く返してもらえればスッキリ終わるけど、ゆうきゅんとの繋がりも終わってしまうんじゃないかな。

ゆうきゅんと二人で会うのは初めて。正直緊張しまくって嫌。でも久しぶりに連絡来てすごく嬉しい。会社以外で会えるのもなんだかソワソワわくわく。本を返してもらいたいけどもらいたくないような。

自分でも自分の気持ちがわからないまま約束の日を迎えるのだった。