腹黒王子の初恋
『ねぇ、そんなにおいしい?』
『……』

 ゆうきゅんが極上の甘い微笑みを私に向ける。思わず間抜けな顔して見つめてしまう。

『ここについてるよ。』

 ほっぺについてる生クリームを手でとって口に運ぶ。ペロリと赤い舌が見えた。一連の動作がどしてこんなに色っぽいのか。

『そんなに焦って食べて。ゆめちゃんは子供みたいだなぁ。』

 頭をぽんぽんした。それからニヤリと黒い笑顔を見せたと思った瞬間。目の前にゆうきゅんの顔

 唇を舐められた。

『…っ!!』

 真っ赤になった私の顔を満足そうに眺めてまた極上の笑み。

『ごちそうさま。こっちにもついてたよ。』

 口をパクパクする私に涼しげな顔で言いながら軽くチュッと音を立てて唇を重ねて来た。

『どうする?続きしてあげ…』
< 43 / 103 >

この作品をシェア

pagetop