腹黒王子の初恋
は~。いい!朝の給湯室とゆうきゅん。後輩男子。いいわあ。今日も妄想がさえてる~。
ひと休憩できました。ゆうきゅんありがとう。
仕事中にも妄想大爆発させてる私は【星文具】に勤める梢優芽(こずえ ゆめ)。入社4年目の25歳だ。もちろん彼氏ナシ。
大手文具会社である【星文具】は事務文具からファンシー文具まで幅広くデザイン製作をしている。私は文房具が昔から大好きだった。運よく希望の会社に就職できて毎日まあまあ楽しく充実した日々を送っている。まあまあというのが私の最大の欠点のせいだけど。
私の職場は総務部。総務部とはいろいろな雑務を取りまとめている部署だ。他の部署の人たちが効率的に業務を行うためにサポートする部署である。具体的に言えば印刷物のコピー依頼や備品補充、会議室の準備や片付け、お茶出しなど。秘書課も総務部管轄になる。社内の新年会や入社式、社員旅行なのどの行事の企画運営なども行う。
会社の花形である営業部とも業務でつながりが強いということで、営業1課と営業2課の間に総務部の部屋がある。迅速なサポートをしている。
私の仕事は秘書業務…は無理で、社員達から依頼される印刷を行い、部署まで届けるのが主な仕事。それをしつつ備品補充や、会議室の管理をしている。他にも頼まれごとがあれば随時受付。いろんなことを優先順位を考えてやらなければならないので思ったより忙しい。
メールで送られてくる印刷依頼を確認していたら、【妄想しないで仕事しろよ】というタイトルのメールが届いた。
間違いなく辻泰明(つじ たいせい)からのメールだ。
【また妄想してるな。無表情が怖いぞ。10分後に例の場所で。ちょっと休憩しよう。】
やば。妄想を爆発させているのを泰晴に見つかったみたい。泰晴は私と同期。営業1課に配属されている。私が本音を吐ける数すっくない友人なんだ。
何でも泰晴曰く、私は妄想をしていると普段の無表情よりももっと無表情になって一点を見つめているからすぐわかるんだそう。
よし、休憩する前に少し仕事をしておこう。次にする印刷は何かな。その時、メールの送り主に文月佑宇(ふづき ゆう)の文字が。
お!ゆうきゅん!
『…先輩…』
まずいまずい。またさっきの妄想が始まりそうになった。仕事せねば。
ゆうきゅんは今年の新入社員。新入社員の中でも抜群に目を引く存在で。サラサラの色素の薄い栗色の髪に大きな目にかわいい顔。典型的な弟タイプ。人懐っこい笑顔にやられたお姉さま方は数知れず。とはいっても挨拶はしっかりできるし素直なので仕事をすぐに吸収できる。その笑顔は男性社員にも有効。社内全体に愛されているみんなの後輩君なのである。泰晴が彼のお世話係となっていて、仕事を一から教えている。社内ナンバーワンのタイプの違うイケメン二人は何かと話題に上がることが多い。実は私も彼の隠れファンなんだ。
印刷内容は…この資料を10部づつ両面印刷で右上ホチキス止めね。オッケ!10分でできる。ゆうきゅんの頼みだし、先にやってあげちゃおう。完全なるえこひいきでございやす。
すぐ隣の営業1課へ。泰晴はいないみたいだな。
「…これ、依頼されたものです」
ゆうきゅんに渡すと
「ありがとうございます。梢先輩。」
うわあ、笑顔、眩しすぎるぅ。癒されるわ~。心の中は大暴走。横目で見る。
ん?何だかすごく視線を感じるけど顔を見られない。
「それでは。」
と一言残し営業1課を後にした。
ひと休憩できました。ゆうきゅんありがとう。
仕事中にも妄想大爆発させてる私は【星文具】に勤める梢優芽(こずえ ゆめ)。入社4年目の25歳だ。もちろん彼氏ナシ。
大手文具会社である【星文具】は事務文具からファンシー文具まで幅広くデザイン製作をしている。私は文房具が昔から大好きだった。運よく希望の会社に就職できて毎日まあまあ楽しく充実した日々を送っている。まあまあというのが私の最大の欠点のせいだけど。
私の職場は総務部。総務部とはいろいろな雑務を取りまとめている部署だ。他の部署の人たちが効率的に業務を行うためにサポートする部署である。具体的に言えば印刷物のコピー依頼や備品補充、会議室の準備や片付け、お茶出しなど。秘書課も総務部管轄になる。社内の新年会や入社式、社員旅行なのどの行事の企画運営なども行う。
会社の花形である営業部とも業務でつながりが強いということで、営業1課と営業2課の間に総務部の部屋がある。迅速なサポートをしている。
私の仕事は秘書業務…は無理で、社員達から依頼される印刷を行い、部署まで届けるのが主な仕事。それをしつつ備品補充や、会議室の管理をしている。他にも頼まれごとがあれば随時受付。いろんなことを優先順位を考えてやらなければならないので思ったより忙しい。
メールで送られてくる印刷依頼を確認していたら、【妄想しないで仕事しろよ】というタイトルのメールが届いた。
間違いなく辻泰明(つじ たいせい)からのメールだ。
【また妄想してるな。無表情が怖いぞ。10分後に例の場所で。ちょっと休憩しよう。】
やば。妄想を爆発させているのを泰晴に見つかったみたい。泰晴は私と同期。営業1課に配属されている。私が本音を吐ける数すっくない友人なんだ。
何でも泰晴曰く、私は妄想をしていると普段の無表情よりももっと無表情になって一点を見つめているからすぐわかるんだそう。
よし、休憩する前に少し仕事をしておこう。次にする印刷は何かな。その時、メールの送り主に文月佑宇(ふづき ゆう)の文字が。
お!ゆうきゅん!
『…先輩…』
まずいまずい。またさっきの妄想が始まりそうになった。仕事せねば。
ゆうきゅんは今年の新入社員。新入社員の中でも抜群に目を引く存在で。サラサラの色素の薄い栗色の髪に大きな目にかわいい顔。典型的な弟タイプ。人懐っこい笑顔にやられたお姉さま方は数知れず。とはいっても挨拶はしっかりできるし素直なので仕事をすぐに吸収できる。その笑顔は男性社員にも有効。社内全体に愛されているみんなの後輩君なのである。泰晴が彼のお世話係となっていて、仕事を一から教えている。社内ナンバーワンのタイプの違うイケメン二人は何かと話題に上がることが多い。実は私も彼の隠れファンなんだ。
印刷内容は…この資料を10部づつ両面印刷で右上ホチキス止めね。オッケ!10分でできる。ゆうきゅんの頼みだし、先にやってあげちゃおう。完全なるえこひいきでございやす。
すぐ隣の営業1課へ。泰晴はいないみたいだな。
「…これ、依頼されたものです」
ゆうきゅんに渡すと
「ありがとうございます。梢先輩。」
うわあ、笑顔、眩しすぎるぅ。癒されるわ~。心の中は大暴走。横目で見る。
ん?何だかすごく視線を感じるけど顔を見られない。
「それでは。」
と一言残し営業1課を後にした。