腹黒王子の初恋
ごんっ!
私は机に頭を勢いよくぶつけた。全く何を妄想してんだ。ゆうきゅんとちょっとキャラ違うし。私はどこかのモテキャラかよ…はあ~。頭痛い。
昨日はいろいろなことがありすぎてよく眠れなかった。ゆうきゅんとのことも泰晴とのことも何回も何回も頭に出てきて私を悩ませる。
今日はまだ二人ともに会ってない。昨日言っていた大量の在庫は大丈夫だろうか。ゆうきゅんに会って話したいけど…恥ずかしぃし…
また昨日の熱いキスが思い出されて手でぱたぱたと仰いだ。昨日からずっとこうだ。
「よし、仕事!」
新卒者の就職会社説明会の資料作成。数年前の自分が大学生だったころが思い出された。慣れないリクルートスーツに身を包んだ私たちの中で当時からひと際目立っていたのが泰晴だったっけ。まさかその泰晴と私だけが内定出るなんて思ってなかったな。
でも、ゆうきゅんも目立ってたな。その数年後の説明会が頭に浮かぶ。私はアシスタントで会場にいた。司会などはもっと上の先輩がしていたけれどプロジェクターの管理を任されていた。泰晴が先輩代表としエールを送っていたっけ。キラキラした目で泰晴を見る大学生を見るとほほえましかったな。その中にゆうきゅんがいた。まだあどけなさが残るひどく整ったかわいい顔を覚えていた。
そんな目立つ二人に想われてるなんて、恐れ多くて息苦しくなる。まだ夢だったんじゃないかって思える。
印刷物とボールペンと封筒に入れていく。総務部の中の方にある作業台で一人黙々と作業をしていたら遠くで「お疲れ様でーす」と聞こえ、ザワザワしているのが聞こえた。
なにかなあと思いつつも集中して作業していたら、
「優芽!帰るぞ~」
聞きなれた声が真横で聞こえギクリとした。
「…た、たいせいっ…何してんの?」
小声で聞く。
「何って迎えに来た。帰ろ。」
「は?」
「もうすぐ終わるだろ。手伝ってやるよ。どうやるんだ?」
「…は?…え?」
「この順番で入れればいい?」
「…うん…」
みんなの視線が痛い。
「よし!終わった。帰るぞ。」
私の手を引っ張ってドアへと進む。
「お疲れ様です。お先に失礼します。」
「おー、泰晴お疲れ~」
「…お、お先に失礼します…」
小声で言った。総務のみなさんの方は怖くて向けない。
「え?どういうこと?」
「梢さんと辻くん?」
「付き合ってんの?」
「あの二人同期だっけ?」
ひそひそ話すのが聞こえてきた。もう何なの?泰晴!やめてよ!
ちょうどドアを出る時に鋭い視線を送るゆうきゅんと目が合った…。
私は机に頭を勢いよくぶつけた。全く何を妄想してんだ。ゆうきゅんとちょっとキャラ違うし。私はどこかのモテキャラかよ…はあ~。頭痛い。
昨日はいろいろなことがありすぎてよく眠れなかった。ゆうきゅんとのことも泰晴とのことも何回も何回も頭に出てきて私を悩ませる。
今日はまだ二人ともに会ってない。昨日言っていた大量の在庫は大丈夫だろうか。ゆうきゅんに会って話したいけど…恥ずかしぃし…
また昨日の熱いキスが思い出されて手でぱたぱたと仰いだ。昨日からずっとこうだ。
「よし、仕事!」
新卒者の就職会社説明会の資料作成。数年前の自分が大学生だったころが思い出された。慣れないリクルートスーツに身を包んだ私たちの中で当時からひと際目立っていたのが泰晴だったっけ。まさかその泰晴と私だけが内定出るなんて思ってなかったな。
でも、ゆうきゅんも目立ってたな。その数年後の説明会が頭に浮かぶ。私はアシスタントで会場にいた。司会などはもっと上の先輩がしていたけれどプロジェクターの管理を任されていた。泰晴が先輩代表としエールを送っていたっけ。キラキラした目で泰晴を見る大学生を見るとほほえましかったな。その中にゆうきゅんがいた。まだあどけなさが残るひどく整ったかわいい顔を覚えていた。
そんな目立つ二人に想われてるなんて、恐れ多くて息苦しくなる。まだ夢だったんじゃないかって思える。
印刷物とボールペンと封筒に入れていく。総務部の中の方にある作業台で一人黙々と作業をしていたら遠くで「お疲れ様でーす」と聞こえ、ザワザワしているのが聞こえた。
なにかなあと思いつつも集中して作業していたら、
「優芽!帰るぞ~」
聞きなれた声が真横で聞こえギクリとした。
「…た、たいせいっ…何してんの?」
小声で聞く。
「何って迎えに来た。帰ろ。」
「は?」
「もうすぐ終わるだろ。手伝ってやるよ。どうやるんだ?」
「…は?…え?」
「この順番で入れればいい?」
「…うん…」
みんなの視線が痛い。
「よし!終わった。帰るぞ。」
私の手を引っ張ってドアへと進む。
「お疲れ様です。お先に失礼します。」
「おー、泰晴お疲れ~」
「…お、お先に失礼します…」
小声で言った。総務のみなさんの方は怖くて向けない。
「え?どういうこと?」
「梢さんと辻くん?」
「付き合ってんの?」
「あの二人同期だっけ?」
ひそひそ話すのが聞こえてきた。もう何なの?泰晴!やめてよ!
ちょうどドアを出る時に鋭い視線を送るゆうきゅんと目が合った…。