腹黒王子の初恋
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入社式に行って驚いた。会社説明会でも、入社試験でもあんなにたくさん人がいたのに、採用されたのは俺と女の子一人だけだった。
横に座って下ばかり見ている彼女。緊張しているのだろうか。
「ねぇ。採用俺たち2人だけなんだね。びっくり。」
「はあ…」
小声で話しかけたが返って来たのは気のない返事。
「あ!自己紹介してなかった。俺、辻泰晴。俺たちタメだよな。よろしくな。」
にかっと笑って手を差し出した。2人しかいない同期なんだ。仲良くしたい。彼女は一瞬目を見開いてスンと表情を消した。ん?と思っていた所、
「…梢優芽です。よろしく…」
消え入りそうな小さな声が聞こえてきた。繋がれない出した手をしょうがなく引っ込めた。おお。この子大丈夫かな。
これ以上の会話を拒否された雰囲気に前を向くしかなかった。
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入社式に行って驚いた。会社説明会でも、入社試験でもあんなにたくさん人がいたのに、採用されたのは俺と女の子一人だけだった。
横に座って下ばかり見ている彼女。緊張しているのだろうか。
「ねぇ。採用俺たち2人だけなんだね。びっくり。」
「はあ…」
小声で話しかけたが返って来たのは気のない返事。
「あ!自己紹介してなかった。俺、辻泰晴。俺たちタメだよな。よろしくな。」
にかっと笑って手を差し出した。2人しかいない同期なんだ。仲良くしたい。彼女は一瞬目を見開いてスンと表情を消した。ん?と思っていた所、
「…梢優芽です。よろしく…」
消え入りそうな小さな声が聞こえてきた。繋がれない出した手をしょうがなく引っ込めた。おお。この子大丈夫かな。
これ以上の会話を拒否された雰囲気に前を向くしかなかった。