紫陽花の蕾
プロローグ
「今日で、この高校を離れ、東京へ引っ越すことになりました。今まで、ありがとうございました。」

クラスメートの前で最後の別れの挨拶をする。

私の過ごしていた山形から東京まではかなり距離がある。もうみんなと会うこともないだろう。

私の隣の席にいたあの人は、今日も居なかった。

最後くらい会いたかったが、きっと私たちはその程度の中だったってことだろう。今更何言っても仕方ない。




高校2年生の春、私はここへ転校して来た。

そして、高校3年生の夏に、また、新しい場所へ行くことになった。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop