ずっとやさしい手のひら・続編
「レンタカー借りたからまずホテルに行くな」

さすが健太

私の知らない間にちゃんと予約を済ませていた

どんな時でも頼れる

それも健太を尊敬する所の一つなんだ

「やっぱり沖縄は暑いな」

クーラーを全開にしても車内はすぐ涼しくならず、窓を開けると心地よい風が入ってきた

私の髪がなびき、健太がそれを見て

「髪伸びたな」

「うん。切った方がいいかな?」

「今のままでいいんじゃね?」

「健太がそう言うなら、切らないね」

私はそう言って運転をしている健太を見ると

「どんな髪型でも亜美はかわいいから」

照れ臭そうに健太は笑った

そして言われた私も恥ずかしくなる

カッーとなった顔を隠すため窓の景色に目線を移すとコバルトブルーの海が一面に広がっていた

「懐かしい」

ふと零れた言葉に

「また一緒に来れたな」

懐かしむように健太が言う

まさかあの時思ったことが叶うなんて…

たくさんの試練、葛藤を乗り越え、再び私達は沖縄にまた来れた




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