ずっとやさしい手のひら・続編
もし健太が教会に来ていなかったら…

私は間違いなく新くんと結婚していた

そして隣には健太ではなく新くんがいただろう

あの後、私は頭を下げに新くんに会いに行ったんだ…


健太に一人で新くんの所に行く、と言ったら、「俺も一緒に行く」と言った。でも健太を振り切り、私は一人で新くんのマンションに行った

本当は合わせる顔なんてない

でもお父さんにきちんと謝るように言われたし、私自身も会って謝りたかった

大声を上げられたっていい

殴られたっていい

それ以上のことを私はしたから…

だから覚悟の上、会いに来た

いざマンションに行き、ドアの前に立つと足が震えていることに気付いた

掌には汗が滲む

右手の人差し指でインターホンを押そうとしている指まで小刻みに震えていた

ピンポン



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