ずっとやさしい手のひら・続編
時計が7時を過ぎた頃、

ピンポーン

ガチャッ

私が玄関に行く前に健太が鍵を開けて入って来ていた

「ただいま」

「おかえり、早かったね」

「亜美待ってると思ってな」

私の横を通る時、さりげなく頭を撫でて、寝室に着替えに行った

ちゃんと言わなきゃ

私はキッチンに行き、ご飯をよそっていると

「うっ」

さっきと同じでご飯の匂いでまた気持ち悪くなってしまった

「どうした?」

そんな私の姿を後ろで見ていた健太が心配そうに私に近付き

「具合悪いのか?」

「あ、うん。健太・・・あのね」

不思議な顔をして私の背中をさすりながら、ソファへ連れて来てくれた

「どうした?」

「私・・・生理きてないの・・・」

そう言った瞬間、健太はすぐに分かったのか、

「赤ちゃん、できたのか?」

健太の顔が見る見るうちに明るくなっていく

「そうかもしれない。でもね、まだ調べていないし、本当かはまだ・・・」

「明日病院へ行こう」

「だって仕事・・・」

「今は亜美の体の方が大事だろ。それに俺も早く知りたいし」

やっぱり健太は嬉しそうだった

だから赤ちゃん、絶対授かってほしい・・・



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