ずっとやさしい手のひら・続編
朝、私より先に健太は起きていた

体が重たくて、やっとの思いでベットから出た私は健太に

「今、ご飯作るね」

そう言うと

「俺、先に食ったから。亜美、飯食べる?」

私に気を使ってくれているのか、そう健太は言った

「ちょっと調子悪いからあとから食べようかな」

「そっか。じゃあ、落ち着いてから病院行こう」

「うん」

昨日、帰って来てから健太はとてもご機嫌だ

赤ちゃんのこと凄く嬉しいんだ・・・というのが分かる

これで妊娠していなかったら・・・

そう考えるとぞっとする

こんなに喜んでいる健太を裏切る形になってしまったら私はどうしたら・・・

妊娠のことを言うのを早すぎたかも

そんなことを考えていた

流産の時、先生が言っていた言葉が私の頭の中でこだましている

赤ちゃんができにくくなるかもしれない

でもそれは100%じゃないということ

もしできてたとしたらまさかまた流産・・・

悪いことばかり考えてしまっていた




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