ずっとやさしい手のひら・続編
総合病院のため、受付からすでに混んでいた

「俺が受付してくるから座って待ってて」

健太は私をソファに座らせて保険証を持ち、行ってしまった

そんな健太の姿を見ているだけで、ドキドキさせられる

通る人が振り向き健太を見る

でも健太本人、ぜんぜん気にしていなくて・・・

「川崎亜美さん」

フルネームで呼ばれることがあまりないため、名字が変ったことになんだかくすぐったい

健太がすぐに戻ってきて、

「受付終わったから産婦人科行っていいって」

「うん」

「大丈夫だから」

人目を気にせず私と手を繋ぐ健太の手が力強い

健太がいるから大丈夫

私はどんなことがあっても受け止めよう

そう決めて産婦人科の前で健太と名前を呼ばれるのを緊張しながら待っていた

「川崎さん、川崎亜美さん」

ドキッ

「行って来るね」

「俺も行く」

「最初は検査だから話を聞く時に呼ぶから待ってて」

「わかった」

私は健太に微笑み、中へと入って行った


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