ずっとやさしい手のひら・続編
冷や汗が私の額に滲む

掌も汗ばんでいる

看護師さんに尿検査をするように言われトイレに行き、次は内診だった

あの台を見るだけでざわっとして足が震え出す

怖い

何度見ても目を逸らしたくなるこの場所

ゆっくり深呼吸して台に乗る

カーテンで仕切られた向こうで何が起きるかなんて想像もつかず、終わるまでただ息を潜めじっと待っていた

「終わりましたよ」

力が入っていた肩を下ろし、また名前を呼ばれるまで待つ

その間がとても長く感じられて落ち着かない

あ、健太…

健太を呼ぶことを忘れていた私は廊下に出て健太を呼んだ

「健太」

「お、おお」

緊張してるのかな

「川崎さん中へどうぞ」

看護師さんに呼ばれ私が健太を見ると

「行こう」

私の背中を押しながら先生のいる部屋に入った



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